るろうに剣心~星霜編~

原作にも、TV版にもない、完全なオリジナル作品であり、映画化された中盤での追加EPでもない。
追憶編を描いたスタッフ達による、この物語の終焉を描いたものですが。

追憶編の感想はまた後にするとして(個人的に思い入れの強い作品なので別枠で書いておきたいだけだが)

攻殻映画版にも似たリアル志向の強い画風と一切のギャグ要素を廃した事で、るろうに剣心のシリアスな面がより強調されているのが特徴なんですけども。
原作の最終EPでもある人誅編を描いた唯一の映像作品であるわけですが、全体的に見ると薫視点で描かれた過去の思い出が中心となっています。
全ての映像を新規に描きなおしているので、TVの時とは違った印象が強く、なんつーか綺麗でした。
原作の最後で、剣心が見つけた贖罪の答え。
本来は映像化されることもなく、その結末がどうなるのかは読者の想像の域を出なかったわけですが、ここに提示された一つの結論はちょっと悲しいと思ったりもしました。
あれだけの過去を背負っていながら、みんなハッピーで終わろうなんてのも虫がよすぎるとは思うけども。
薫と剣心はもうちょっと救われてほしかったなぁと。

頬の十字傷が消えるのは贖罪が済んだ時。
すなわち剣心の死を意味すると思ったんですがまさにその通りだったのかどうなのか。
そりゃちゃんと帰ってきたし、ただいまも言ってくれたけどそれでいいのかと。
OPのシーンから波乱含みな展開っぽく、まともに終わりそうはないなと思ってたんですがね・・・

でも全部が不満なわけでもなく。
剣路(剣心と薫の子供ね)に両親の思いを伝えようとするのが弥彦だったり、子供の反抗心で家出をしている剣路に剣術を教えつつも多くを語らず、本人が気づくのをそっとまっている比古さんとか、剣路にそれを気付かせるための弥彦との立会いとか。
日本で帰りを待っている薫の為に、奔走して剣心を探し、そしてなんとか日本へ返そうとする左之助と、薫を少しでも元気にさせようと駆けつける恵さんとか。
剣心が影響を与えた人達が、それぞれの思いで剣心の居場所を守ろうとする様が素敵でした。

原作を深く愛し、あの結末から自分なりにその後を想像していた人にはちょっと辛い終焉かもしれないのですが。
変に期待を持たせたり、ずれた方向での終幕を描かれるよりはよかったのかもしれません。
根が真面目で、自分の過去と常に真正面から向かい合ってきた剣心と、そんな剣心を支えることを心に誓った薫。
ちょっと悲しい終わり方とはいえ、これもあるべき一つの終わり方なんでしょうな。

とまぁ、あんまり後味のよい作品ではないにしろ、るろ剣好きだった方には一度は見て欲しいかも。
賛否両論でる作品だけど、EVAの映画に比べりゃ全然許容範囲だと思われます。
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by noscom-1st | 2004-10-11 00:34 | その他感想
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